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2025.9.9

相続直前に預金を引き出せば相続税を節税できる?失敗事例と正しい対応!

「家族が亡くなったら、銀行口座が凍結されてお金が引き出せなくなる…」

「それなら、亡くなる前に預金を引き出しておけば、相続税を減らせるのでは?」

このような考えから、相続が発生する直前に慌てて故人の預金口座から現金を引き出すケースは少なくありません。

しかし、その行為にはいくつかの落とし穴があり、税務署から疑いの目を向けられる可能性もあります。

今回は、相続が発生する直前に預金を引き出す行為がなぜ失敗に終わるのか、そして相続発生前後にどのように対応すべきかを解説します。

相続 預金 引き出し

【事例】相続前に預金を引き出せば節税になると勘違い

夫の死期が近いと感じた妻Aさんは、相続前に急いで夫の預金を引き出しました。

口座が凍結されてお金が引き出せなくなることを心配していたこともありますが、預金からお金を引き出しておけば、相続税の対象となる財産を減らせることができ、相続税を節税できるのではないかと考えたからです。

しかし、この行動は失敗でした。

現金を引き出すだけでは、相続税は減らせません。

なぜなら、相続税の計算においては、亡くなった時点の預金残高だけでなく、そこから引き出された現金もすべて相続財産として扱われるからです。

例えば、亡くなった夫の預金口座に1,000万円あったとします。相続開始直前に300万円を引き出し、その後100万円を使ったところでAさんが亡くなった場合、相続財産は以下のようになります。

相続 財産状況 預金 現金 相続前に費消

  • 預金:700万円(相続開始時の残高証明書の金額)

  • 現金:200万円(引き出した300万円から、相続発生までに使用した100万円を差し引いた金額)

合計900万円が、夫の相続財産となります。

たとえ預金口座の残高が減っていたとしても、引き出された現金は相続財産として申告しなければなりません。

税務調査では、亡くなる直前に引き出された高額な現金がどこにあり、何に使われたのかを厳しくチェックされますので注意が必要です。

本事例では、妻Aさんは預金700万円のみを申告してしまい、その後税務調査で現金200万円の財産計上漏れを指摘され、多額のペナルティを支払うこととなってしまいました。

【解決】相続発生前後の正しい対応

上述した事例では、妻Aさんは誤った認識により、慌てて相続直前に預金から現金を引き出し、かつ、相続税の申告漏れをしてしまい、ペナルティを支払うこととなってしまいました。

妻Aさんの失敗事例をもとに、相続発生前後に、慌てずに正しく対応するためのポイントをまとめました。

解決 税理士

1. 引き出した現金の使途を記録する

亡くなる直前に預金から多額の現金を引き出した場合、相続開始時点で残っている金額は「現金」として申告する必要があります。

また、それまでに使ったお金は、後々の税務調査に備えてその使途をメモしておきましょう。

医療費や葬儀費用など、何に使ったのかを明確にしておくことが大切です。

相続直前に引き出した現金の使い道 メモ

2. 相続発生後も正式な手続きで預金を引き出せる

妻Aさんは、口座が凍結されて現金を引き出せなくなることを心配していましたが、正しい手続きを踏めば、相続発生後でも預金を引き出すことができます。

ただし、相続が発生すると、被相続人の預金口座は相続人全員の「共有財産」となります。
そのため、お金を引き出すには、原則として相続人全員の同意が必要になります。

具体的な手続きは以下のとおりです。

  1. 金融機関所定の用紙に、相続人全員が署名・捺印(実印)する

  2. 相続人全員の印鑑証明書を添付する

  3. 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までの連続したもの)を提出する

これらの書類を提出することで、金融機関は相続人の範囲を確認し、全員の同意がある場合に限り、預金の引き出しに応じます。

3. 遺産分割前の相続預金の払い戻し制度

2019年に法改正された「遺産分割前の相続預金の払い戻し制度」を利用すれば、他の相続人の同意がなくても、各相続人が一定の金額まで単独で預金を引き出すことが可能です。

この制度は、葬儀費用や当面の生活費など、遺産分割協議が終わるまで待てない場合に役立ちます。

ただし、引き出せる金額には上限がありますので、ご注意ください。

まとめ

相続直前に預金を引き出すことは悪いことではありません。

しかし、亡くなる直前に預金から多額の現金を引き出した場合、相続開始時点で残っている金額は「現金」として申告する必要があります。

また、引き出した現金の使い道は、その使途を簡単にメモしておきましょう。

相続には、他にも「知らないだけで損してしまうこと」はたくさんあります。

適切な申告を行いつつ、しっかりと節税したい方は相続に強い税理士法人シーガルにご相談ください。

この記事の監修者

中込 政博

税理士法人シーガル

代表社員/

税理士・公認会計士

中込 政博

あずさ監査法人・辻本郷税理士法人を経て、税理士法人シーガルを設立。
難しく感じやすい相続の専門用語もわかりやすくご説明しますので、初めての相続の方もご安心ください!

遠藤 大樹

税理士法人シーガル

代表社員/

税理士・行政書士

遠藤 大樹

医療専門会計事務所・税理士法人山田&パートナーズを経て、税理士法人シーガルを設立。
シーガルでは年間60件の相続税申告実績がありますので、相続に不慣れな方へも丁寧にサポートします!

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