2025.8.7
知らないと損!妻名義の預金が相続税の対象になるケースと、賢い節税対策

「妻名義の預金だから、夫が亡くなっても相続税はかからない」
「夫が稼いだお金を妻名義の口座に移しておけば、相続税を節税できる」
このような考えをお持ちの方は多いのではないでしょうか?
実は、妻名義の預金でも、実質的に亡くなった夫の財産とみなされ、相続税の課税対象となるケースがあることをご存じでしょうか。
今回は、相続税の申告で問題となりやすい「名義預金」について、具体的事例を交えながら、その対策方法まで詳しく解説していきます。
妻名義の預金は相続税の課税対象になるの?
妻名義の預金は相続税の課税対象になる可能性がある
結論から申し上げますと、妻名義の預金であっても、実質的に亡くなった方の財産であると税務署に判断された場合、相続税の課税対象になります。
相続税は、所有権の名義にかかわらず、実質的に誰の財産であったかを基準に課税されます。
そのため、形式的に妻名義の預金であっても、そのお金の出所や管理状況などを総合的に考慮し、実質的な所有者が亡くなった方だと判断されれば、それは相続税法上「亡くなった方の財産」として扱われるのです。
この実質的に亡くなった方の財産とみなされる預金を、「名義預金」といいます。
名義預金とは
名義預金とは、口座の名義人と、その口座にお金を入金したり、管理・運用したりしている実質的な所有者が異なる預金のことです。
例えば、以下のようなケースは「名義預金」と判断される可能性が高いです。
夫が妻の口座に定期的にお金を振り込んでいたが、その預金の存在を妻が知らなかった
夫が妻の口座の通帳・キャッシュカード・印鑑をすべて管理していた
夫が自分の収入から妻の口座に送金し、妻はそのお金を自由に使うことができなかった
子供や孫名義の口座に、夫が資金を拠出して預金していた
名義預金は、亡くなった方が生前に「将来の相続税対策になるだろう」と考えて行っているケースもあります。
しかし、税務署はこのような名義預金を厳しくチェックしており、相続税の申告漏れとして追徴課税を命じることが多々あります。
妻名義の預金に相続税が課税された事例
Aさん(被相続人)は会社経営者で、生前に多額の財産を築いていました。
相続税の申告にあたり、Aさんの相続人である妻と子供が財産調査を行ったところ、妻名義の銀行口座に2,000万円の預金があることが判明しました。
この預金について妻は、「Aさんが会社を経営していた頃から、生活費とは別に毎月50万円ずつ妻の口座に振り込んでくれていたものだ」と主張し、これは妻の固有の財産であり、相続財産ではないと考えていました。
しかし、税務調査が入り、税務署の調査官が妻の通帳やAさんの通帳の履歴を詳しく調べた結果、以下の事実が明らかになりました。
妻の口座への入金はAさんの口座からのみ行われており、他の入金はなかった
妻は専業主婦で、自ら収入を得ていなかった
妻は通帳・キャッシュカード・印鑑をすべてAさんに預けており、口座の存在は知っていたものの、金額やお金の使い道についてはAさんの意向に従っていた
これらの事実から、税務署は「妻名義の預金は、実質的にAさんの財産であり、名義預金である」と認定しました。
結果として、この2,000万円は相続財産として課税され、さらに過少申告加算税と延滞税が課されることになってしまったのです。
妻名義の預金が名義預金とされないような対策
名義預金と判断されないためには、以下の3つのポイントを押さえておくことが重要です。
1.贈与契約書を作成する
「贈与」とは、財産をあげる人(贈与者)と、財産をもらう人(受贈者)双方の合意があって初めて成立するものです。
贈与契約書を作成し、双方の意思を確認した上で、署名・捺印をしておくことが最も効果的な対策となります。

2.贈与税を申告する
年間110万円を超える贈与を行った場合、贈与税の申告が必要です。贈与税を申告し、納税することで、その資金が「贈与によって取得されたもの」という客観的な証拠になります。
たとえ110万円以下の贈与であっても、税務署に申告しておくことで、将来のトラブルを未然に防ぐことができる可能性があります。

3.贈与を受けた人が自分で管理する
贈与を受けた妻や子供が、通帳・キャッシュカード・印鑑を自分自身で管理することが非常に重要です。
たとえ少額であっても、自分で自由に使える状況にし、定期的に入出金を行うなど、財産を主体的に管理している事実を残すことが大切です。

名義預金の判定は税理士にご相談を
「妻名義の預金が名義預金と判断されるのか」という判断は非常に難しく、個々の状況によって異なります。
過去の通帳の履歴から資金の流れを読み解き、贈与の事実が客観的に証明できるかどうかを判断するには、専門的な知識と経験が必要です。
税理士法人シーガルでは、豊富な相続税申告の実績に基づき、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適な対策をご提案いたします。
「この預金は名義預金になるのか不安…」
「相続税の申告漏れを指摘されないか心配…」
このようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度、税理士法人シーガルにご相談ください。
初回相談は無料です。お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者

税理士法人シーガル
代表社員/
税理士・公認会計士
中込 政博
あずさ監査法人・辻本郷税理士法人を経て、税理士法人シーガルを設立。
難しく感じやすい相続の専門用語もわかりやすくご説明しますので、初めての相続の方もご安心ください!

税理士法人シーガル
代表社員/
税理士・行政書士
遠藤 大樹
医療専門会計事務所・税理士法人山田&パートナーズを経て、税理士法人シーガルを設立。
シーガルでは年間60件の相続税申告実績がありますので、相続に不慣れな方へも丁寧にサポートします!
