2025.11.7
【税理士解説】遺産分割が間に合わない場合の相続税申告|未分割でも申告は必要?

「相続税の申告期限が迫っているのに、まだ家族間で遺産分割が終わっていない…どうすればいいの?」
このような状況でお悩みの方は少なくありません。
相続税の申告は、原則として相続発生から10か月以内に行う必要がありますが、この期間内に遺産分割協議がまとまらないケースも多々あります。
しかし、遺産分割が未了であっても、相続税の申告義務がなくなるわけではありません。
この記事では、遺産分割が間に合わない場合の相続税申告方法、未分割申告の注意点について、分かりやすく解説します。
遺産分割が未了でも相続税申告は必須!
相続税の申告は、実際の遺産分割の内容に基づいて行うのが原則です。
しかし、申告期限までに遺産分割が調わない場合でも、相続税は期限までに納めなければなりません。
未分割遺産の相続税申告方法
遺産分割が未了の財産については、相続人が、民法に定められた法定相続分に従って財産を取得したものとみなして、相続税の課税価格を計算し、申告する必要があります。
No.4208 相続財産が分割されていないときの申告|国税庁
分割後には「修正申告」や「更正の請求」を行う
もし、申告後に遺産分割が成立し、実際に取得した財産の課税価格が法定相続分と異なることになった場合は、以下の手続きを行います。
税額が不足する場合
修正申告書を提出し、追加で納税します。税額が過大だった場合
更正の請求を行い、払いすぎた税金の還付を求めます。
遺産分割が未了だと適用できない特例と対処法
遺産分割が間に合わない場合に最も注意すべき点は、相続税の節税に大きく貢献する特例の多くが、申告期限までの分割を要件としていることです。
未分割だと適用できない主な税額控除・特例
以下の特例は、相続税の申告期限までに遺産分割が完了していないと適用できません。
配偶者の税額軽減
配偶者が取得した財産には大幅な控除が適用されますが、遺産分割が未了だと適用できません。小規模宅地等の特例
居住用や事業用の土地の評価額を大幅に減額できる特例です。物納
税金を現金で納めるのが困難な場合に、相続財産で納める制度です。農地等・非上場株式等の納税猶予
相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例
被相続人の居住用財産の譲渡所得の特別控除
【重要】「申告期限後3年以内の分割見込書」の提出
遺産分割が間に合わなかった場合でも、上記の特例を後から適用できるチャンスがあります。
相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出しておけば、申告期限後3年以内に遺産分割が成立した場合に限り、分割の日の翌日から4か月以内に更正の請求を行うことで、特例を適用し、払いすぎた税金の還付を受けることが可能です。

相続税の申告書の提出期限から3年以内に分割する旨の届出手続|国税庁
3年を超えても分割できない場合の承認申請
やむを得ない事情(相続に関する訴訟など)で、申告期限後3年を経過しても遺産分割ができない場合は、税務署長の承認を受けることで、さらに特例の適用を待つことができます。
この承認申請は、申告期限後3年を経過する日の翌日から2か月以内に行う必要があります。

遺産が未分割であることについてやむを得ない事由がある旨の承認申請手続|国税庁
修正申告にかかる延滞税
納付すべき相続税を納付していない場合には、延滞税が課されます。
しかし、未分割の財産が分割された場合で修正申告書を提出する場合には、修正申告の提出日までの期間は延滞税の課される期間には算入されません。
遺産分割が未了の相続税申告は税理士へ
遺産分割が間に合わない場合の相続税申告は、特例の適用関係やその後の手続きなど、非常に複雑です。
税理士法人シーガルでは、未分割の申告から、分割後の修正まで一貫して手続きをサポートします。
また、適用可能な特例の見極めや、「分割見込書」の提出など、節税のための最適なアドバイスを提供しておりますので、遺産分割が未了の相続税申告でお困りの方は、ぜひ税理士法人シーガルにご相談ください。
この記事の監修者

税理士法人シーガル
代表社員/
税理士・公認会計士
中込 政博
あずさ監査法人・辻本郷税理士法人を経て、税理士法人シーガルを設立。
難しく感じやすい相続の専門用語もわかりやすくご説明しますので、初めての相続の方もご安心ください!

税理士法人シーガル
代表社員/
税理士・行政書士
遠藤 大樹
医療専門会計事務所・税理士法人山田&パートナーズを経て、税理士法人シーガルを設立。
シーガルでは年間60件の相続税申告実績がありますので、相続に不慣れな方へも丁寧にサポートします!
